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日本企業とバリアブンタウ省への投資

ベトナムと日本が外交関係を樹立して40年が経ちますが、両国が常に協力関係を重視し、一緒に発展してきました。グローバル化の流れの中で、両国が様々な 分野において協力関係を一層深め、戦略パートナーシップを組んでいます。その背景に、バリアブンタウ省も早期から日本との関係を重視しており、多くの日本 企業を受け入れていました。

(写真:Hikosen Cara社での検査工程の風景

1.投資案件

  バリアブンタウ省のチャン・ミン・サイン知事によると、ベトナムが海外から投資を呼び掛ける最初の段階から日本企業が積極的に動いていました。当時はベト ナムの経済も課題山積みで、インフラ整備、法律整備、投資環境などすべてがまだ不十分の時期でした。それでも困難を乗り越えて、日本投資家がベトナム、そ してバリアブンタウ省にも来てくれました。

 例えばHikosen Caraさんはその一例です。1990年にブンタウ貿易会社と合弁して服やバッグを作り始めました。10年後に合弁の期限が切れて、相手企業も解散されたが、Hikosen  Cara経営陣側がバリアブンタウ省に残る選択をし、Hikosen  Cara100%の外資系企業にしました。

 重工業の分野ではビナ・キョウエイの名前がバリアブンタウ省に1995年から親しまれてきました。フーミ1工業団地の工場は主に建材である各種の鉄筋を製造しており、バリアブンタウ省にベトナム一の製鋼エリアの形成に貢献した立役者です。

  水産加工の分野ではHai Viet㈱が1991年から日本との取引をしましたが、1995年には日本企業との合弁会社を作り、日本市場向けの水産加工を手掛けてきました。

  バリアブンタウ省に進出した日本企業を語る時に新日鉄住金㈱を忘れてはいけません。20106月にフーミ工業団地内に工場を稼働させ、鋼管杭などの製造販売を展開しています。

2.実績

 日本からの早期の投資案件は様々な困難があったけれど、殆どの案件が計画通りに進められて、ベトナム国内外の市場に商品を供給し続けております。

 Hikosen Cara社は最初の10年間のベースを活かして、100%外資系の企業になってすぐに500600人の体制を作りました。今年23年目になりますが、800人と生産設備500台以上の体制になっており、年間100万個以上の商品を生産しております。商品は靴、バッグ、女性や子供の服、ぬいぐるみ、セーター、布団や枕などの寝具、エプロンや手袋などのキッチングッズで多様です。20%の商品はベトナム国内で、残りの80%は海外市場で販売されています。高い品質、バラエティ豊かなデザインがベトナム消費者のHikosen Caraの商品へのイメージです。

  ビナ・キョウエイ社の場合は、当初輸入ピレットから建材用の鉄筋を年間30万トン生産する工場だけでしたが、20年間近く経って今は工場がもう一つ増えて、自社でピレットを年間45万トン生産する体制を整え、250人の雇用を安定的に提供し続けてきました。

  Hai Viet㈱は現在刺身や寿司の300種類以上を加工しております。2009年あたりの経済停滞期でも日本の取引先から安定的に受注できたなどで、対外売上が4,000USDに、2012年には4,200USDにまで成長し続けております。売上が2020年まで毎年平均で1215%増え続ける見込だそうです。

  新日鉄住金㈱がバリアブンタウ省に来たことで、カイメップ・ティバイ港の開発工事にタイムリーに工事用鋼材を提供することができました。すぐに現地で商品を販売できるということで生産量をどんどん増加させることができ、新日鉄住金㈱にとっても良いことです。2012年の生産長が3.8万トンで、2025年までは港、ロジスティクスや重工業に必要なインフラ整備工事のために生産量をどんどん上げていく必要があり、工場の能力をフルに活用できそうです。

 3.結び

 現時点でバリアブンタウ省内に展開されている日本の投資案件が18件あり、総投資額が17USDとなっております。すでに稼働している12案件は分野が製鋼、石油化学配管の加工、機械加工、金型、港湾、アパレル、水産加工などで様々です。案件数はまだ少ないものの、実行資本が登録資本の70%に達しており、順調な展開を見せております。

 投資案件のみならず、貿易や観光についても一定の成果を上げております。日本への輸出額が2012年では1.1USDに、2013年前期では5,000USDに達しており、海産物、ゴム製品、ガラス、アパレルなどが主な輸出品目となっております。また、毎年約3,000人の日本人観光客がバリアブンタウ省を訪れております。

 有利な地理条件や独特なポテンシャルを強みに、バリアブンタウ省は積極的にPR活動を日本の各地で行い、投資、貿易や観光の促進活動にも力を入れております。特に、川崎市や兵庫県とも協力協定を締結しており、お互いの経済発展に貢献し合えるよう様々な取り組みを展開しつつあります。